帰国してから日本が不思議な国に感じた【世界一周後日談】

 4、5日おきに都市や国を転々するのを1ヵ月以上続けていたので、戻ってきたはずの東京もなんだか「訪れた1都市」のような、不思議な感覚がしている。

 しばらく旅行先だと思って過ごそう。

 空港の構造などはどこも変わらないので、スカイライナーで都心に向かうまでの田園風景を見ながら、このまま乗ったら、モスクワやローマに続いているんじゃないか、みたいな錯覚におちいる。

 もちろん実際は、日暮里に着く手前で、下町とスカイツリーが見えて、やはり戻ってきたんだと思う。改札を出るあたり、「アタフタしてたらカモと思われる」などと厳しい表情で一瞬スリに警戒した後、そうだった、ここは日本だったと安堵する。

 留学や駐在で年単位で海外にいる人々からすれば、40日なんて甘いかもしれないが、とっさにペットボトルやサンドイッチの値段から、その都市の物価を確かめるような癖がつき、東京の食べ物の安さとクオリティに驚く。増税したのにね。

 まずはスーツケースを開けて洗濯機に服を投げるところから始めないといけないのだが、本当に旅行が終わってしまう喪失感があり、なかなかスーツケースを開けられない。空いた心を埋めるように「次はどこに行こう?」と本屋に立ち寄ってしまった。

 案外、つぎの仕事も数年で辞めてしまって、世界二周目に出ちゃったりしないかな…?と思うほどには、終わってみれば、人生で忘れがたい40日間になった。ずっと心配してくださった方々にお礼申し上げたい。

 今回、ひとりで行きたかった場所(誰かを伴わせるにはマニアックすぎる場所)はだいたい行けたので、もし次に旅行する時は、だれかパートナーと、きれいな建物や景色を巡る旅とかをしたい。

 とは言っても年末にはまだいないだろうから、極端に寒いところとかに行ってこようかなぁ…それとも、アメリカのレンタカードライブが楽しかったので、今度は旧道ルート66とか走ってみようかなぁ、などと夢はふくらむのだった。

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