担がれやすいのは自分なのか、それとも日本人観光客なのか【世界一周7日目】

あらすじ
こんにちは、太郎と申します。2019年秋、30歳の節目に会社を辞めて世界一周してきました。トランジットで半日滞在したロシアから南下し、エジプトに到着。今回はその時のエピソードです。(2020/10/1更新)

NYで見た「Blue Man」の記憶

※公式YouTubeより

 顔を真っ青にペイントした3人の男が、音楽や演劇を繰り広げる「ブルーマン」というNY発祥のショーがある。10年前に東京公演を1階席で見た際に、ゲスト参加枠でブルーマンと目が合い、腕を引かれて壇上にあがって、両脚を縛られペンキを塗られ魚拓をとられた。

 この時は単純に運が良かったのかと思った。思い出に残ったので、2年前に北米旅行をした際、せっかくなら発祥地で見ようと、当日空いていた2階席の安いチケットを取った。ところが、この公演でもまた、ブルーマンと目が合ってしまった。マシュマロを口に投げ込み、ドロドロの塊を握手した手に吐かれ、会場は大爆笑だった。

 このショーは、言葉を発しないブルーマンのコミカルなパントマイムが特徴だ。参加させられたゲストは、必ず壇上で恥ずかしそうに戸惑う。それを言葉無しに「笑い」に変えるのは、言語も文化も異なる人々が集まるNYだからこそ伝えられる価値ではある。公演では、自分以外にも日本人女性が指名されて、少しオドオドしながら壇上でバナナを食べていた。

 イベント主催側にとっても、日本人観光客は指名しやすいのかもしれない。「えー?やめてよー」と首を振って恥ずかしがりつつ、しかし完全には拒まない。けっきょく壇上にあがると、若干怖気つつも、言われた通りのパフォームをこなし「ゲストが楽しそうにキャストと触れ合う」という理想的なシーンを描写できるからだ。後からクレームも言ってこないだろう。

 思えば昨年、タイのニューハーフショー(※健全なやつです)を見た際も、やはり指名された。壇上でオカマと踊って、熱烈なキスマークを顔中に残されて、そのままバンコクを歩いた記憶も新しい。もともと日本人観光客が多いのだろうが、なかでもなぜ自分はその手の指名を受けやすいのだろうか?というのをここ数年グルグル考える。

そんなわけでエジプトでも…

 そんなわけで昨夜、エジプトのディナークルーズでも、レストランの座席中央で繰り広げられるベリーダンスなどのショーに、一番目に指名されてしまい、タンバリンを叩いたり、よく分からないスカートをまとって回転したりした。船内は中国人観光客が最も多かったが、彼らはスマホで写真は撮るものの、自分自身が参加することは断固拒否しているのが印象的だった。

 「もっと楽しめばいいのに」と思い、ああそれが答えなのか、と気づいた。指名される理由は分からないが、とりあえず楽しめばいいのだ。

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