日系人から学ばせてもらう「仲間」にしてもらうということ【世界一周後日談】

あらすじ
こんにちは、太郎と申します。2019年秋、30歳の節目に会社を辞めて世界一周してきました。40日の旅を終えて無事に帰国。今回は日本に戻って考えたことです。(2021/1/9更新)

自分の好きな映画の共通点

 おそらく自分自身が、あまり仲間をつくったり、チームに溶け込むのが得意ではないこともあり、「異物」と思われ孤立している主人公が、小さなことから変化を起こして、積み重なって何かを成し遂げて、みんなに受け入れられていく、そういうストーリーに励まされる。

 レイチェル・マクアダムス演じる若手TVディレクターが、モーニングショーの視聴率を上げていく「恋とニュースの作り方」(原題:Morning Glory)や、ロバート・デ・ニーロ演じるシニアが、ベンチャー企業で存在感を発揮していく「マイ・インターン」(原題:The Intern)は、Apple Musicでサントラを聴いて気持ちを高めるぐらいには、何度も見てきた。

 とりわけ好きなのがスピルバーグ監督の「ターミナル」で、トム・ハンクス演じる東欧人が、ニューヨークに到着するやいなや、クーデターで母国が無くなって入国できなくなり、JFK空港で足止めを食らい、そこで生活を始めるストーリーに引き込まれた。

 「空港」というのは社会の縮図で、JFK空港はアメリカを象徴している。白人が大半を占める空港職員と、レストランやショップで働く中間層、肉体労働をする不法移民たち。その中で、英語の喋れない主人公が、言葉を覚え、仕事を覚え、仲間を作り、恋をして、最後にあることを成し遂げる。

 おそらく、メンバーに入れてもらうためには「あいつ、やるなあ」と思ってもらうことが必要で、みんなのためになる何かを成し遂げたり、あっと言わせることをやり遂げたりすることが、避けられないのだと思う。

 それは100年前に世界に渡っていった日本人たちも同じで、アメリカに渡った人々は不幸にも敵性外国人として排斥された過去から「ちらばる」という方法をとり、ブラジルに渡った人々は過酷な労働から夜逃げをしながら「まとまる」という方法をとり、血や涙を流しながらステータスを築くことができた。

 旅行中、少し距離を置いて故郷を見たときに、目立ったのはラグビー日本代表の活躍だった。奇跡的な勝利を重ね8強まで上り詰め、SNS等を通して熱狂ぶりが伝わってきた彼らが「日本代表」と認めてもらうために、おびただしい努力をしてきたことに敬意を覚える。

 同時に勝ち始めた途端ににわかサポーターが「”我々”の日本代表」と3人称で、自身を同化させ、悦に入る人々は、おこがましく見える。無関心のうちに冷たく見ていた自身を認めたうえで、まずは「やるなあ」と、素直に称える姿勢があってもいいのではないか、と感じた。

 もちろん、ラグビー界が新たなファンを1人でも多く歓迎しているので、そんな必要はないのかもしれないけれども。旅行先で、ラグビーW杯を見ているさまざまな国の人々から「日本、やるじゃないか!」と声をかけられた時に、そんなことを考えたのを思い出した。

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