「メリーポピンズ」に感動している自分よ、2ペンスで鳩にエサを買うのか?

10円玉かと思ったら…

いつ紛れ込んだか分からないけど、自販機で何度投入しても戻ってくる10円玉があり、よく見たらそもそも10円玉でもなくて、イギリスの2ペンス硬貨だったことがあり、結局いまも財布に眠っている。

上に貼った動画は、2014年9月のBBC promsのものだけど、ディズニー映画のメリーポピンズ「2ペンスを鳩に」という曲がある。これはロンドンの大聖堂前でパンくずを売る貧しいおばあさんの謳い文句なんだけど、「鳩にえさをあげれば、あなたも気分が和らぐ」「大聖堂の使徒たちが、そんなおばあさんを優しく見守る」というような内容になっている。

自問自答すること

とてもセンチメンタルなシーンで、見えないモノの価値を訴えているようでもあって、思い出すと少し涙ぐむんだけど、ふとした時、手元にある2ペンス硬貨を見て「じゃあ、お前(自分)はこれで鳩のえさを買うか?」と自問自答する。

映画では、ポピンズが歌うこの曲を聴いた子ども2人が、お小遣いの2ペンスで鳩のえさを買おうとするのだけど、銀行員の父親に「もっと有用な使い方がある」と阻まれて、口座を作らされそうになり、そこからストーリーが展開していく。

ロンドン観光中なら記念にえさを買っちゃうけど、これを東京に置き換えたらどうだろうか。浅草の雷門前だか、上野公園の西郷さんらへんで、タダ同然で仕入れてきたパンくずを、ホームレスが値段をつけて売っていたら、買うのか?自分よ。

当初は「見えないモノの価値が分からなくなった時、この硬貨を思い出すようにしている」みたいな美談に仕立てようとしたんだけど、おそらく自分も「もっと有用な使い方がある」と思うだろうなあと考えた時に、結局「つまらない大人」側になってしまったのかなあ、と感じる。