パールハーバーは、アメリカの国定歴史施設になっているのだけど、どのような説明をしているのか気になっていた。
入館して最初に見させられるムービーには「We remember, understand and honor」というテロップが流れる。ここは憎しみを煽る場所ではなく、何が起きたのか正しく理解して、当時の人々に敬意を表する場所なのだ、と事前共有される。
BGMで多少のムードを作っているものの、基本的にすべて理詰め。「いきなり奇襲してきたんですよ、ひどいでしょう?」で終わらせず、なぜここまで損害が大きくなったのか、米側の落ち度にも触れている。山本五十六がいち早く航空攻撃に目をつけて準備していたことも、率直に評価している。
アメリカで多く使われるhonorという言葉を、どう捉えればいいのか理解しきれていないけど、「亡くなった人々も最後まで諦めなかった」「生き残った人々が立ち向かった」といった紹介に重きを置いているように感じた。これがアメリカ人の美徳とする精神なのかもしれない。
意外だったのは、カミカゼ攻撃についてのパネルで、「自殺行為、狂っていた」で終わらせず、甲板に散らばった日本人パイロットの遺体を、「自国のために身を捧げる気持ちは我々と同じなのだから」と、米側が敬意を表し水葬することにし、旭日籏を手作りしたエピソードも紹介されていた。
写真は、攻撃が始まって15分後に沈んだアリゾナ。誘爆を起こして大破し、艦内に残る900人の遺体はいまも回収できていない。覆うように追悼施設があり、今も流れ出る油(通称:アリゾナの涙)が見える。
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