遊牧民ホームステイでさっそく馬に乗ってみた。馬乳酒の味は…【世界一周2日目】

テント(ゲル)内部を360度でどうぞ

Traditional Tent House (Gel), Mongolia #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

 ウランバートルからピックアップの車で約2時間半。アスファルトの舗装はなくなり、平原のわだちを進んでいくと白いテント(ゲル)が見えてきました。この地の人々は何百年間もテントで移動しながら生活してきたのです。(最近は定住化も進んでいるそうです)

 ガイドさんにモンゴル語の挨拶を教えてもらい、「センベノー(こんにちは)」と握手を交わします。写真が飾ってあり5,6人の大家族のようです。お父ちゃんに「まあまあ座りなさい」というようなことをモンゴル語で言われ、中央の椅子に座ると、目の前にバケツと柄杓が用意されました。

 小学校の国語の教科書に出てきた「スーホの白い馬」でおなじみの、あの馬乳酒です。これを飲んだら(下痢をするかもしれないという意味で)もう戻れないぞ…と思いつつ、柄杓でコップにすくって、一口含むと酸味の強いマッコリのようでぐいぐい呑めてしまいました。

 馬乳で作ったチーズやバターなどを試食させてもらい、少し休憩しているとガイドさんから「今日は家事を手伝うのがよいでしょう」という話に。ヨーグルトを絞ったおからのようなものを、手で握って寿司のシャリのようにしてトレイに並べていきます。これを大ボウル1つ分、300個近く作りました。「むかし寿司屋でバイトしていたんですよ」なんて話をするとガイドさんが驚いていました。

 シャリを作り終えたら、ガイドさんから「馬にでも乗りますか?」と提案をいただきます。「にでも」じゃなくてそれが目的で来たんですよと突っ込みたくなる。旅行会社の行程表では翌日の予定でした。「ぜひお願いします」と返すと、お兄ちゃん(息子らしい)が飼育している馬の群れから1頭見繕ってくれました。どうやら、素人が乗っても平気な優しい性格の馬を選んでくれていたようです。

 「モンゴル人は、馬に乗らないとおかしくなるんです」と、ガイドさんが説明してくれます。モンゴル人がおかしくなるところを見てみたい気もしますが、おそらくウランバートルに住む都会化された人々のことを指しているんでしょう。

 たずなを持って前に進みます。背筋を伸ばすと、馬のパカパカという振動がもろの尻に跳ね返ってきて腰をやられます。無理をしない程度にリラックスして、馬の動きと自分の体の動きを合わせると、コツをつかめてきました。

 「チュ!」と先導役のおじちゃん(親戚らしい)が言うと、いきなり馬がパカラッパカラと走り始めました。その動きについていけるほどまだ慣れていません。尻が馬の背中に何度もぶつかり、足腰がガクガクに。「これが本物の騎乗位か」などとアホなことが頭によぎっていると、ずっと遠くに見えていた山が目の前まで迫ってきました。

 馬は黙々と斜面を登っていきます。中腹まできたところで降りて休憩。振り返ると写真のような景色が。「自分はこの平原を馬で駆けたんだ…」と感慨深いものがあります。ガイドさんにタバコを勧められ1本いただきます。社会人になってから日常的に喫煙はしていませんが、こういう場所で貰うタバコってコミュニケーションツールになっていて、いいですね…。

 4時間ほど馬に乗りました。腕時計は19時近くを指していますが、緯度が高いせいかまだ明るいです。戻ってくると、お父ちゃんとお母ちゃんが、馬乳を搾っていました。牛の搾乳よりも簡単そうで、片手でシュシュと絞っていきます。「僕もやれますか」と聞いてみたところ「馬は素人に絞られると蹴ってきます」と断られてしまいました。残念。

Horse Milking, Mongolia #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

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