西武新宿と田端に「あの風景」を見に行く

備考
「withコロナの時代を考える」は2020年4月加筆

上映初日に新宿で見たあと

少なからず世の中で話題になることが見込まれるトピックで、アーリーアダプターたちがどういう反応をして世の中に広まっていくのか、という現象をウォッチするのが好きで、映画はなるべく公開初日に見るようにしている。(評判やネタバレで映画館に行くモチベーションをそがれるのが嫌いというのもある)。そんなわけで映画「天気の子」の公開初日、仕事帰りに夕方の上映回を見て、夜にマクドナルドの西武新宿駅前店に来た。意外とビッグマックを食べている人は少ない様子だった。すぐその日に行動を移す人が絶対にいるだろうと思っていただけに意外。

週末に田端駅南口へ

Tabata, Tokyo, Japan #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

(追記)with コロナの時代を考える

 ふと、もし今置かれている状況が、90年代~00年代に流行ったサブカル系コンテンツだったら、①未知のウイルスから世界を救うか、②目の前にいるヒロインを救うか、究極の二択を迫られて葛藤する主人公が出てくるんじゃないか、と思った。

 おそらく電撃文庫なんかだと、主人公は、冴えなくて自分語りで、帰宅部だけど友人はいて、親は海外赴任中だったする。そしてヒロインは(まだ主人公は知る由もないのだが)世界の命運を握っているか、その子が犠牲になることで世界が救われるような、そういう設定なんじゃないかと思われる。

 「大人」たちは全体最適の視点から、ヒロインに犠牲になってもらおうと思っていて、一方で「未熟」な主人公は、その子に同情していて(好きだと気づくのに時間がかかる)大人たちの理不尽を許せず、そもそも世界を救う意味なんてあるのかと考えて、全員を敵に回してでもヒロインを救おうとして、物語が展開していく(だいたいメイン曲が流れて、息切れたり転んだりしながら走る)。

 ここまで読んで「あ、こいつヤバい」と思ったかもしれないけど、違うんだ、そうじゃないんだ。だいたい30代、40代ぐらいのおっさんたちは、一度はその手のコンテンツにはまり、夜中の3時ぐらいに自室で泣いたような経験があって、母親に「こんな時間に何やってんの」と怒られたりしている。

 そういうコンテンツは「ゼロ年代セカイ系」とか呼ばれていて、新海誠監督なんかはコアにいる人で「天気の子」はまさにそういうストーリーだったけど、そういうのがヒットする背景には、自分自身ではコントロールできないような大きな世の中の変化があるんだろうと思う(気候変動や貧困化に焦点を当てたと新海監督がパンフレットのインタビューに答えている)。

 目まぐるしく変わる日常に適応できなくなると、一種のヒステリーを起こして、世の中との距離を掴めなくなり、そういう世界観で物事を測って、共感してしまうのだろう。それはやっぱり「未熟」ということなんだろうけど、そういう期間を経ないと「大人」になれないんじゃないか、などと思う。

 実際には、世界の命運なんてものを誰か1人が抱えているのではなく、現場にいるたくさんの人々が少しずつ良い方向に動かしていこうとしている。今の自分がその一員になれているのかは後ろめたいけど、1日も早く状況が良くなればと願って、寝ることにする。(2020年4月、緊急事態宣言下のFacebook投稿より)

公式と比較したい人はこちら

田端のシーンは1分42秒ぐらいで出てきますね。

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