英語ガイドブック「DRINKING JAPAN」から日本人の酒の飲み方について考える

春の連休はおおっぴらに飲めそうにないので…

 新宿の紀伊国屋書店の洋書コーナーで、居酒屋に関する本を買ってみた。Tuttleという洋書の出版社がマニアックな日本紹介本を出しているんだけど、これは「Drinking Japan」というガイドブック。面白いので一部抜粋してみる

【トリアエズ・ビール】
これは日本人がグループで店に入った時、メニューを開くことなく発するフレーズです。「全員がビールからスタートします」という意味で、このおかげでグループ全員が早く、喉の乾きを潤すことができるのです。

七里ガ浜の海が見えるイタリアンレストラン/神奈川県鎌倉市

【ブレイコー】
日本では職場の人と飲みに行くのが好まれます。お酒のある場では、立場の弱い部下が上司に対して、普段は言えないことを言うことができます。このやりとりはあなたが思うよりも政治的なので、気をつけなければなりません。

【スナック】
バーのうち、女性が一人で経営する店舗のことを言います。このお店のアトラクションは「ママサン」と呼ばれる女性とのコミュニケーションです。相手をしてもらうには、なにか高いものを頼むようにしましょう。

野毛町某所のシガーバー/横浜市中区

【オットットッ】
これは感謝の気持ちを示す言葉です。誰かがあなたのグラスにお酒を注いでくれた時はこのように返答しましょう。

山形酒のミュージアム/山形県蔵王町

【ホロヨイーフツカヨイ】
日本酒は世界でもアルコール度数が高く、ロンドンのパブと同じように飲むと大変なことになります。日本には、酒を注がれる際グラスを空にする習慣がありますが、もう飲めない場合は「ケッコーデス」というフレーズで断ることができます。

 当たり前だと思っていた習慣を、客観的に分析されるのが面白い。この著者は日本の居酒屋で隣の客が「とりあえずビール」と言ったのを不思議に感じていたのかな、とか思いを馳せてしまう。緊急宣言が明けたら、この本に従って飲んでみたい