葛飾北斎のグレートウェーブ「神奈川沖浪裏」が描かれた地点はどこなのか?【歩けるかな東海道】

葛飾北斎の「冨嶽三十六景」にある「神奈川沖浪裏」はどこらへんなのだろう? 諸説あるらしいのだけど、自分は「この波、サーファーが喜ぶだろうなぁ」という連想から、勝手に湘南エリア(相模湾)かと思い込んでいた。これはぜんぜん違うらしい。

調べてみると「神奈川」というのはむかし東海道の神奈川宿があったあたり。いまの横浜駅北口らへんを指すらしい。この沖合は、江戸湊(東京湾)で獲れた魚を江戸に向けて運ぶ舟が行き交っていて、北斎はその風景を切り取ったというのが通説だとか。(下の写真は、すみだ北斎美術館に展示されている北斎マネキン。ちなみに房総沖という説もあるらしい)

「できればあの風景を海から見てみたい」と思って、ためしに遊覧船(サザンオールスターズの曲「Love Affair」の元ネタになったマリーンルージュ)を調べてみたら、新型コロナウイルスのせいで運航休止中だった。ならばせめて、対岸から見ることはできないだろうか?

そんなわけで、横浜市と日産がMaaSサービスとして実証実験しているチョイモビ(3/16で終わってしまう)を借りて、トラックに煽られながら横浜ベイブリッジを渡って大黒ふ頭に来てみた。ところが…

春霞でぜんぜん富士山が見えない…。晴れていたら加筆した写真のような感じかな。もっと風の強い日に来れば、海外で「Great Wave」と呼ばれ、新千円札にも描かれる、この波っぽい景色を見れるんだろうか、悠長にカメラを構えていたら波にさらわれそうだけど。

今年、東海道を歩いてみる目標を立てる中で、こんな感じで北斎や広重の絵の面影が残る場所を探せたら、ロマンチックに江戸時代を追体験できるんじゃないか、と思う。ただ、北斎の「三十六景」は東海道とは直接関係なく、関東一帯の富士山の見える場所を描いているらしいので、どうしようかな。

レンタカーを返して、大さん橋で甘いものを食べてきたのだった。(つづく)